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病院機能評価受審について(その3)


1.病棟と1例目カルテの選択方法 

前回は病院機能評価の基礎ともいえる自己評価についてお伝えいたしました。今回は受審にあたっての病棟とカルテの選択についてお伝えします。

受審病棟は病院を代表し、特徴をよく表している病棟を選択することが求められます。また審査を受ける病棟は副機能がなければ2つであり、これらで2領域の評価項目を網羅できるようにする必要があります。


カルテについては、旧バージョンと提示方法が大きく異なります。現在のバージョンではプロセスを重視することが求められると以前のレポートでお伝えしました。つまり旧バージョンで行われていた、さまざまな患者さんのカルテを切り貼りして理想的な提示カルテで審査に臨むのではなく、1例目に選択するカルテは入院(転院も含む)から退院まで(死亡退院は含まない)までの病院の対応や考え方が分かる必要があります。

またこのカルテ選定に関しては、「病棟において代表的な症例」であることが求められています。この代表的の意味合いですが、病棟で多く治療されている疾患や特に力を入れている疾患などが当てはまります。レアな症例のカルテをあえて選択するのではなく、日常看護業務の中から充実して関与できたケースを受審カルテとして選択することが望ましいでしょう。


2.2例目カルテの選択方法 

ケアプロセスの審査において項目を網羅して紹介する必要があるのですが、1例目で全てカバーすることは難しいでしょう。よって2例目以降で紹介をすることとなります。

1例目のカルテで入院から退院までの概略を説明し、説明し切れなかった評価項目については2例目以降でカバーするイメージとなります。

選定に際して1例目と異なる点は、審査の時点で入院中でも退院済みであってもどちらでも構わないということが挙げられます。


3.審査用カルテの準備時期 

上で述べたとおり、1例目は退院していることが求められますので、平均的な入院日数から逆算して準備を開始する必要があります。この点入院期間が長期化しやすい療養病床や精神病床で受診する場合は注意が必要です。できれば審査の一ヶ月くらい前には退院できる患者のカルテを受診候補カルテとして準備すると良いでしょう。審査を受けるカルテがあまりにも前のものであると、最新の規程や基準の実践が反映されていないものになってしまう可能性が高いです。可能なかぎり新鮮な状態のカルテを選択できるように備えることが望ましいでしょう。


また逆算的に受審カルテの選択をしなければならない時期になりましたら、代表的な症例に該当する患者さんが入院されました時点で、カルテに候補のしるしを付けておくと良いでしょう。


4.まとめ 

今回はカルテの選択方法とその時期についてレポートしました。入院から退院まで一連の流れで審査するケアプロセス審査に適合するカルテを整えるためには、前提として運用するべき規程や基準・手順等がきちんと整備されていること、またこれらを運用する上でひも付きとなる様式や記載基準なども整っていることが前提となります。少なくとも審査の1年前あたりから、ケアプロセス審査を見据えた枠組みの作成ならびに運用を意識し、自己評価によって現状を正しく認識してから改善行動を繰り返すことにより、円滑かつ意義のある機能評価の受審ができると思います。

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