top of page

改定における医業収益と医業利益

予定では明日3月5日に令和2年度の報酬改定についての告示が出ます。繰り返しにはなりますが、救急医療がかなり手厚くなったり、一方で透析などの点数が下がったりはありますが、入院医療に関しては大きな単価の変動はありませんでした。しかしながら適切な運用を追求しなければ利益がかなり厳しくなるでしょう。ある意味収益と利益の違いをきちんと捉えていることが求められます。


つまり今回の改定は「病院の運用の質」が肝になっていると捉えています。前回改定のように一般病床の評価の枠組みが変わるわけではないですが、急性期に求める事や回復期に求める事をより明確にしたと言えます。

 

手前味噌ではありますが、私どもがお手伝いしている病院については、改定があるから新しい取り組みをしなければならない部分は限局的でした。既存の課題に対して継続的に取り組むイメージです。特に毎年経営計画を一緒に作り上げている病院等は増収のシミュレーションが出ています。


では求められる病院運用の質の概要を上げてみたいと思います。


まず純粋なDPC病院は急性期医療(特に手術と救急受入)に注力する必要があり、幅広い在宅復帰対象へのフローを細かく作ることが重要です。地域密着急性期と異なる点は、患者さんが何かしらの医療的な要求事項が高めの状況で退院を迫られるところです。循環器などの一定の回復レベルまでに日数がかかる疾患群においては、院外の地域包括ケア病棟や中小規模の一般病床病院を巻き込んだ退院フローがより必要です。


地域密着急性期においては、一般病床と回復期の病床バランスも検討し続ける必要があります。ついつい在宅への退院フローを重視しがちですが、利益と稼働率との結びつきを考えると急性期病院との病病連携も重要です。このあたりは自院の役割を内部・外部的に明確にし、連携する急性期病院ごとに伝え方を変えると良いです。また外来も含めて待ちの医療ではなく、こちらから患者さんのもとへ向かう医療サービスが重要です。できることは往診や訪問診療だけではありません。ある意味DPCの病院と言えども介護保険制度の知識なしではもう運用できないと個人的には考えています。なので最近は病院における介護事業の立ち上げ支援も非常に多くなってきています。


長くなってしまいましたが、こうしてみるとケアミックスの病院の舵取りは非常に考えなければならない要素が多く、地域差や個性も重視しなければならないですね。お手伝いをしていても取り組み方法がそれぞれあり、前向きになれる取り組みが回り始めるときはとても嬉しく思います。



閲覧数:24回0件のコメント
bottom of page