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6月30日に開催された診療報酬専門組織「入院医療等の調査・評価分科会」の要約です。筆者が感じたポイントは下記のとおりです。



ポイント

① 7対1入院基本料は減少傾向であるが微減である。

② 診療報酬改定の議論に新型コロナウイルス感染症の重傷者受入等の影響調査が並行して

 行われているため、大規模感染症発生時の医療資源(医師看護師、病床数)の散在問題

  と合わせて議論されている。

③ 病床の規模や治療室(ICH,HCU等)配置の有無によって救急搬送の受け入れや手術など

の実施の割合が高い。

④ 令和3年度特別調査(ヒアリング)の実施が承認されDPC制度になじまない急性期病院

の洗い出しが始まる。





上記のポイントから読み解こう。


前回記事にも記載したが、財務省による財政制度等審議会財政制度分科会で「なんちゃって急性期のあり方を見直す必要がある、ニーズに沿って病床機能を分化することが求められる」と指摘している。また厚生労働省もDPC評価分科会報告書において「診療密度や在院日数が平均から外れている病院は、DPC制度になじまない可能性があると指摘している。


両省庁の思惑は「選択と集中」であり、そこに向かうようにデータを集めているのではないかと読み取っています。




ポイント③にあげた内容については、当然のことが再確認されています。


あわせて、④について令和3年度特別調査(ヒアリング)の実施が決定されました。調査は「医療資源投入量の少ないDPC病院」「在院日数の短い病院」を外れ値から最大10施設選定しヒアリングを行います。


調査区分は

① 「特定の症例(急性心筋梗塞等)」について、「手術なし」「手術・処置等なし」の症

例の占める 割合が高い病院のうち、医療資源投入量、在院日数が平均から外れている

病院を対象とする。

② 転棟割合が著しく高い病院を対象とする。


とされており、実際に症例を受け入れる治療体制が整っているのか調査されます。



まとめ

7対1入院基本料を算定している病院の多くが治療室(ICU,HCU)を備えているわけではないため、治療室の有無によって病床分化することは医療機関側から大きな反発がある事とは予想されます。しかしながらデータに基づき治療内容が外れ値にある医療機関については限られた医療資源の適切な配分のため、地域に求められる再編が求められることとなるでしょう。

長期的な病院運営の視点から、上記が求められると仮定し、いつ、どのような意思決定をするのか「タラ・レバ」をきちんと検討しておくことが望ましいです。



 次期(2022年度)診療報酬改定に向けた主な検討スケジュール(案)が中医協で確認されました。新型コロナウイルス感染症の終息が予想できず、医療機関の財務状況が厳しい中でどのような改定になるのか注目されます。


 2020年度の改定を振り返ると、以下の4項目が基本方針として示されました。


  ①医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進

  ②患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現

  ③医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進

  ④効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上


 2022年度の改定についても前回改定を踏襲し、さらに加速させていくうえで「デジタル化、ICT化」について手厚く評価していくことが予想されます。「オンライン診療、服薬指導・会議・研修・情報共有等」の手段について意識して取り組むことで改定の恩恵が得られるのではないでしょうか?


 一方財務省主計局は4月15日の財政制度等審議会財政制度分科会で2022年度診療報酬改定の議論を控えて、「医療提供体制の改革なくして診療報酬改定なし」との見解を表明しています。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い医療機関への受診者数の減少が取りざたされていますが「平成26年の社人研人口推計に基づく患者調査」によると既に1日当たりの外来患者数は人口減少などを要因に2020年にはピークアウトを予想しています。


 財務省のいう「医療提供体制の改革」とはかかりつけ医機能の法制度化を主張しています。新型コロナウイルス感染疑いやワクチン接種について、「まずはかかりつけ医に相談」というフレーズがあがりました。200床未満の医療機関にとって人口減少にともなう患者の減少をくいとめる為には、かかりつけ医としての体制強化は一つの手段ともいえるでしょう。


 次回は7月頃、次期改定の論点等が示される段階で。



来年度に予定されている介護報酬改定についてです。


11月9日に介護給付分科会で標記の件について議論がありました。特定処遇改善加算については令和2年6月時点で約65%の事業所が算定しておりますが、処遇改善加算が9割以上の算定率であることを鑑みますと、算定率に大きな差があることがわかります。


令和3年の改定を見通すと、改定議論の第1ラウンドでは介護人材の確保・定着が最重要テーマの一つに挙げられ、処遇改善加算・特定処遇改善加算を通して改善を行う事としています。


それを踏まえてですが、現在の検討内容は特定処遇改善加算の低い算定率を底上げする、つまり使いやすいものに改善する方向性で話が進んでいるようです。


具体的には2対1対0.5の平均賃金の改善額のルールが低い算定率につながっているので、『勤続10年以上の介護福祉士等の賃金改善額』 > 『その他の介護職員の賃金改善額』 > 『それ以外のスタッフの賃金改善額』」のように比率を除いた柔軟なルール案が提案されています。


また職場環境要件については、

①過去の取り組みを実績とせず現在の取り組みを評価

②継続勤務に資する項目の整備

を軸としての見直しが検討されるようです。


いずれにせよ、2対1対0.5の要件が削られればより使いやすくなるでしょう。動向を見ながら恐らく4月の中頃が期限となると思いますが、計画書の作成を検討してゆくと良いと考えます。(特定)処遇改善加算などは介護職員の採用の際にも比較検討事項に挙げられます。人員の安定的な採用の為にも検討しても良いのではないでしょうか。