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新着情報

  • 2019年11月5日
  • 読了時間: 2分

 11月1日に開かれた財政制度等審議会において、財務省は2020年の診療報酬改定ではマイナス改定を求めました。根拠として、近年の改定率が賃金や物価の推移と比べて高水準であることとしています。またこの改定率に関しては、病院と診療所に差をつけることも求めています。


 ここに関してはいろいろ反論は出ていますが、現場の人間としては求められる方向を認識することが重要であると考えます。診療報酬改定の細かい施設基準を知り、病床再編などを行い、結果として取りこぼしがないようにすることも確かに重要です。ただしこれは短期的な血止めであり、将来的な安定運営につながるかというと、必ずしもそうではありません。



 では診療報酬改定の推移をみながら何を一番にするべきか?を考えてみましょう。 



 何度か記事で挙げてはいますが、まずは病院としての事業計画を磨き上げることです。診療報酬上の落穂拾いなどは次のステップと言ってよいでしょう。点数よりも「なぜその基準が出来て何のためにその要求事項があるのか」「昨今の改定と比較してどのような政策の流れか」などを掴むことが重要であると言えます。


 病院特有の事業計画の策定方法は様々ノウハウと特性考慮が必要です。このあたりについては個別性が強いので記事にするには難しいですが、関与した病院様では事業計画の策定・検討がしっかり定着すると、継続的な収支改善につながっています。


 

 



 平成30年改定において、経過措置まで含めると療養病床の区分は4類型となりました。医療法と診療報酬の人員配置基準のすり合わせが進み、20対1以外は明確な減算となっています。また再編先として介護医療院が制度化されたのは記憶に新しいところです。  では平成30年の改定から約1年半。経過措置対象病院の動きを確認してみましょう。


 平成30年改定前の時点で、療養病棟入院基本料2(25対1で現在は経過措置に該当する基準です)の移行先は、療養病棟入院料1にアップグレードした病棟が24%。介護医療院への移行はわずか2.9%。旧30対1においては入院料1が12.2%、入院料2が9.8%。そして介護医療院への移行は0%となりました。


 これらの数字からいえることは、介護医療院への移行はほぼほぼされていない状況があり、療養病床の中間層は政策意図に比べかなり動きがなかった1年半とも言えます。  特に介護医療院については、市町村の財源を圧迫するので、自治体側がかなり消極的だったことも事実です。しかしながら、ここまで移行がなされていないと、経過措置を次回改定で廃止することは難しいのではないかと考えます。


 上記の数字を受けて、10月18日の中医協でも経過措置の廃止は困難かもしれないとの声は上がっています。ただし経過措置はこのまま継続される訳ではなく、経過措置の基準の厳格化は検討しなければならない論調ではあります。減算の幅が大きくなることも考えられますし、経過措置にも医療区分の下限が定められることも考えられます。いずれにせよ経過措置を算定している病院には、さらに経営が苦しくなる状況とも言えます。


 正直なところ、私が支援している療養病床の経営状況は2極化していますし、経営状況の良い病院でも療養病床そのもののベッド単価が高くないので、建替えなどの大規模投資になった際に、かなり厳しい事業計画を作成することになっています。


 このような状況下で、これから先の療養病床の在り方を考える際には、病院単体での経営・運営だけでは不十分であるように感じます。ある意味では現在の医療・介護のハブとなるような意識が必要なのかもしれません。本来は地域包括ケア病床が担うべきなのでしょうが、60日という在院日数の縛りがありますし、循環器などの疾患群によっては、一律な在院日数の評価ではなかなか苦しい領域もあります。療養というと総合力が求められる領域ではありますが、きちんとした事業マップを作成・更新を続け、療養の中でもどこに注力するかがカギとなります。 


 やはり、きちんとした現状把握・計画策定・周知と実行・そして評価・・・が肝要であると考えます。

  • 2019年9月27日
  • 読了時間: 1分

 9月26日に厚生労働省内の「第24回地域医療構想に関するワーキンググループ」にて、かねてより検討中とされていた再編統合の視点で、抜本的な役割の見直しが必要であるとされる病院が名指しされました。

 このWGでの分析結果をもとに、厚生労働省は各県に、2025年までに対象病院がどの領域カバーするのかという「再編統合を含めた具体的方針」を定めるよう通知する予定です。再編統合がない場合には令和2年の3月まで。再編統合がある場合でも令和2年9月末までに地域の関係者合意を求める事となります。

 

 事業計画から始まり、病床再編や経営改善を支援をする立場から考えるますと、時間的猶予は無いに等しいです。外部環境分析と機能分析をまずはしっかり行い、根拠のある手札を11月までには持っておきたいところです。

 

 また今回の分析及び指摘は、2017年度の病床機能報告制度という少々古いデータに基づいているので、今回は対象病院に該当していなかった病院でも、同様の対応は必須であると考えます。

 

 厚労省に指摘されてからでは遅いのです。地域に欠かすことのできない医療機関として存続し続けるためには今日から継続しての取組が必要となります。現在では変化のない存続はありえません。

 

 まずはきちんとした事業計画を作りましょう!!

 

 

  


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