令和4年度第1回地域医療構想等調整会議が令和4年8月19日~9月14日にかけて岐阜県の各医療圏(岐阜、西濃、中濃、東濃、飛騨)で行われました。
2025年にはいわゆる団塊の世代がすべて75歳以上の高齢者となることから、各医療機関は限りある資源を効率的かつ効果的に活用していく為に病床機能の最適化への対応を計画しています。
今回行われた地域医療構想等調整会議ではコロナ対応後を踏まえた地域医療情勢により急性期から回復期へのシフト、慢性期から回復期へのシフトなど回復期機能への集中が特徴となっています。
ストラクチャー、プロセス、アウトカムへの変遷
急性期病床(7対1入院基本料)については
①構造(ストラクチャー)から見た評価
⇒設備や人員配置、組織などを評価
②過程(プロセス)からみた評価
⇒実際に行われた診療や看護についての良否
③結果(アウトカム)からみた評価
⇒受けた診療や看護の結果としての患者の状態を評価する。
医療の質を評価する指標が人員配置で決まったストラクチャー評価の時代から、DPCの導入や診療報酬改定を重ねプロセス評価、アウトカム評価へと変遷しています。
特に令和4年度診療報酬改定において重症度、医療看護必要度の評価項目の見直しによって7対1入院基本料の基準を維持することができない医療機関が増加する予想でした。結果的に岐阜医療圏では2025年に向けて多くの急性期病床が回復期へシフト計画を示す形になりました。
回復期病床がレッドオーシャンに
民間医療機関にとって病床は財産です。手放す経営判断は非常に難しいため、貴重な病床をどのように稼働させていくか知恵を絞らなくてはいけません。
回復期病床は急性期医療機関からの紹介入院が多くを占めており、連携の強化は必須です。前述しましたが岐阜医療圏では急性期から回復期病床へのシフトがはじまります。今まで稼働していなかった急性期病床からの転換が多く、単純に考えると紹介患者さんの受け入れ競争がレッドオーシャンになることが予想されます。
かかりつけ病院としての役割を担うためには
稼働維持から集患対策へ!
レッドオーシャンに注力するだけでは安定的な集患はできなくなります。
医療ニーズが低い患者は在宅復帰を支援し、訪問や通所で継続的にケアしていく。
そして少しでも状態が悪いと判断した時は自院への入院へ結び付けていく。
このフローを一つ一つ確実に対応していくことが、かかりつけ病院として求められる機能であり、結果的に病院経営の安定化につながっていきます。
まずはその地域・病院にとって何が望まれるかを冷静に評価することが、10年20年以上の長期的な病院運営において何より重要です。この論点がぶれなければ、綿密な制度対応をすることによって病院経営は継続的な黒字が維持できるように設計されています。
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